120と135、それぞれ10本ずつ計20本購入したFomapan 200 Creative。先日の奈良旅(⇒記事①、記事②)などで使いまくり、もうすぐなくなりそうな気配です。約20本を撮り切り、改めてこのFomapan 200のレビュー・インプレをば。感度が違うイルフォードHP5+との禁断の比較(?)で、初めて使ったFomapanを振り返ります。
インプレ① Fomapanは暗い??
Fomapanがどんなフィルムか、近しい状況(時間帯、光の強さなど)で撮影したHP5+の写真と並べてみると分かりやすいかもしれません。まずは感度どおりに撮った屋外の写真の違いをどうぞ
明るく写るHP5+、暗く写るFomapan200
この写真を並べただけでは分からないかもしれませんが、今まで撮ったそれぞれのフィルムの写真を見るに、HP5+は明るいですね。逆にFomapan200が暗いのかな?? ややもするとアンダーに見えます。
HP5+はこの写真(↑)に限らず、ローライフレックスの露出計に従うと明るめでノッペリした写真(特に街中などの風景)が多くなる印象です。
撮影・スキャン・加工データ
撮影・スキャン・加工データ、覚えてる限りを列挙しますと以下のとおり。加工はリサイズ・ゴミ取りのみです。
機材:ローライフレックス2.8F(左・右)
種類:120(ブローニー)フィルム
時間:午後3時ごろ
場所:板橋(左)/蒲田(右)
露出:ローライフレックスの露出計が示した値(詳細失念)
現像:自家現像(HP5+:ミクロファイン1対1、20℃10分/Fomapan200:ミクロファイン1対1、20℃9分)
読込:Epson GT-X830で自動スキャン
設定:露出補正自動、アンシャープマスクなし
加工:リサイズ、ゴミ取りのみ
インプレ② Fomapanは暗いところがツラい
続いては寄りの写真。主戦場である酒場放浪で出会う料理を写したひとコマの比較をば。
ブレるFomapan200
左がHP5+で、右(のブレてるほう)がFomapan200です。やっぱり200はツラいw ISO400のHP5+と比べると半段~1段下がるだけで酔っ払いには厳しいのに、何となくFomapan200は額面どおりISO200に合わせると暗く写る気配と雰囲気を感じています。
Fomapan200の実効感度、ひょっとして160とかもっと低いのではなかろうか!?
撮影・スキャン・加工データ
機材:ローライフレックス2.8F(左・右)
種類:120(ブローニー)フィルム
時間:午後6~7時ごろ
場所:神田(左)/蒲田(右)
露出:ローライフレックスの露出計が示した値(詳細失念)
現像:自家現像(HP5+:ミクロファイン1対1、20℃10分/Fomapan200:ミクロファイン1対1、20℃9分)
読込:Epson GT-X830で自動スキャン
設定:露出補正自動、アンシャープマスクなし
加工:リサイズ、ゴミ取りのみ
インプレ③ Fomapanは味がある
遠景、近景と比べてみたので、続いては生物の写真を比べてみます。
存在感が浮かび上がるFomapan200
被写体は我が家のプリンス・黒猫氏。ローライの露出計に従うと、やはりFomapanは全体的に暗めに写ります。が、それがどうしてなかなか味わい深い雰囲気を醸し出しているような⁉
粒状感もFomapanのほうがあって、逆に存在感を強調してくれているように見受けます。
一方、HP5+はまったくもって微粒子で、なだらかなトーンで、どんな被写体でも安定して高いイメージを結んでくれる。そんな心強さがありますでしょうか。
135でも色褪せないFomapan200の存在感
この傾向はサイズが小さい135でも同じようです。↑の写真、どちらもM3+DRズミクロン50で、iPhoneの露出計アプリに従って露出を決定したもの。
135だと、粒状感はHP5+のほうがあるように見えるのは面白い。ただ、HP5+の明るめに写る傾向はそのままで、HP5+はホント額面どおりISO400なんだなという感じ。
Fomapan200は・・・実際の感度、ISO200よりほんのちょっと低い傾向があるかもしれません。その分黒が締まって見えて、存在感は増す不思議。う~ん、フォマパン面白い。
撮影・スキャン・加工データ
機材:Leica M3 + DRズミクロン(上・下)
種類:135 フィルム
時間:失念
場所:黒猫氏の家
露出:iPhoneアプリが示した値(詳細失念)
現像:自家現像(HP5+:ミクロファイン1対1、20℃10分/Fomapan200:ミクロファイン1対1、20℃9分)
読込:Epson GT-X830で自動スキャン
設定:露出補正自動、アンシャープマスクなし
加工:リサイズ、ゴミ取りのみ
インプレ④ 暗所はツラい(二度目)
最後に、これまた我が主戦場・・・というか、この時間しか写真撮りに行けない時間帯に撮影したもの。夜です夜、帰り道の写真を比べてみますと・・・
暗いところはつぶれるFomapan200
写真上はM3+DRズミクロン、下はM5+ズマロン三半によるもの。フィルムの違いに加え、レンズの違いもあるので、単純比較ができず申し訳ございません(;^_^A
パッと見、分かりやすいのは下の写真。M5+ズマロン+Fomapan200は黒がドスンと色濃く落ちています。一方、上の写真(M3+DRズミクロン+HP5+)は工事現場の明かりが少ないところまでしっかり光を拾っていて、「さすが」と言わざるを得ません。
感度が高いHP5+の写真のほうが手ブレがヒドいのはなぜだろう(;^_^A 酔っ払った帰り道に撮ったのかな??
撮影・スキャン・加工データ
機材:Leica M3 + DRズミクロン(上)/M5 + ズマロン35mm(下)
種類:135 フィルム
時間:失念
場所:渋谷
露出:iPhoneアプリが示した値(詳細失念)
現像:自家現像(HP5+:ミクロファイン1対1、20℃10分/Fomapan200:ミクロファイン1対1、20℃9分)
読込:Epson GT-X830で自動スキャン
設定:露出補正自動、アンシャープマスクなし
加工:リサイズ、ゴミ取りのみ
Fomapanは好き? 嫌い??
HP5+とFomapan 200を無理やり比べてみて、それでは結論・まとめをば。「どちらが好みか」という、写真の一番ダメなところを評価軸にして判断してみますと・・・。
Fomapan200は単純に好きかもしれない
HP5+と比べてみて、Fomapan 200は単純明快に好きかもしれません。偶然か、それともフォマパンの特徴か、たまたま僕が使ったFomapan 200は露出計に合わせるとややアンダー目に写る傾向がありました。「そういうもの(アンダー注意)」と把握・理解しておけば、まったく問題なし。
それよりも良かったのは、特に街中の写真などがそうですが、黒の感じがいいですな。今は亡き(あるけど)高騰して手が出ないTri-Xにほんのり似ている気がするのは気のせいか??
HP5+が何でもどんな被写体でも上手に捉えてくれる優等生だとするならば、Fomapan200はもうちょっと尖った感じがします。
鑑賞がスマホだと黒が過ぎる?
黒やトーン云々は、どう仕上げるかによって全然変わってくるので、フィルムだけで決めつけてしまうのは早計です。プリントしない自分としてはスキャンで上がってきた画像がほぼ最終形で、鑑賞環境もPCなので「Fomapan200いいな」という印象を持ちましたが、プリントしたりするとまた別の印象が生まれるかもしれません。
実際、自分が撮ったFomapan200の写真をiPhoneやiPadで見ると、黒がつぶれているように見えて、スマホ環境ではちっとも良くないw きっと↑の車窓写真などはスマホで見ると真っ黒・真っ暗でありましょう。
逆に、HP5+で撮った写真はiPhoneやiPadでも相性よく、トーンが素敵で断然雰囲気あるように見えてきます(想像ですが、プリントもHP5+のほうがしやすいと思われ)。
PCのモニターにしろ、スマホにしろ、機種や型番違いによっても異なって見えるでありましょう。そう思うと、「何が良いか」は自分のみぞ知る世界になってしまいますな、良いんだか悪いんだか(;^_^A
いずれにしても、ISO200(以下)という感度が酔っ払いには優しくありませんが、Fomapan 200はHP5+とはガラッと印象が異なるフィルムであることが分かりました。リピートするか、それともFomapan 400試してみるか・・・次回は400試してみよう(´_ゝ`)
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